染料と顔料の違い

簡単に言ってしまえば、顔料で発色させるメカニズムは、最初からバラバラの分子状態にある染料に比べると、凝集する傾向にある粒子を分散させて色彩を安定させるという、非常に高度な技術が必要とされることになります。

ではなぜ、そのような複雑なプロセスが要される顔料での発色が、残り続けているのでしょうか。
歴史的には、顔料の方が古くからあり、紀元前2万年以上以上前の、古代の壁画において、すでに顔料が活用されていたことを示す史料がみつかっています。
しかし、伝統的だから保存する、という意味で残存し続けている技術ではありません。

顔料と染料とでは、それぞれにメカニズムが異なっているのに応じて、発色の具合や耐久性などに性質の差異を持っているのです。
そしてその違いはどちらの方が優れているというものではなく、用途に応じて長所と短所を持つような形式になっています。

・染料の特色
染料は溶剤に溶け出しますが、紙面に対しても、染み込んでいく特性を持ちま       す。そのため、紙面の奥に水分を浸透させる形となり、そのぶん、乾くのに時間が必要となります。
発色は鮮やかに行えます。
・顔料の特色
顔料の場合、色成分が紙面の表面に固着して安定します。色水が染み込んでいく、というイメージの染料に対して、色の粒でコーティングをするようなものです。
そのためにじみが起きにくく、鮮明な、くっきりとした色彩表現に向いています。
水分に溶け出さないので、耐水性に優れています。

染料と顔料とで、得意とするジャンルが違ってきます。
自分のニーズに適合する選択肢を把握しておきましょう。